所 長 表 彰
所 長 賞 |
超電導に関わる研究開発の業務を通じて、世界的に、産業界あるいは学会において高い評価を得るなど、優れた業績、功績を挙げた者 | 技 術 賞 |
超電導に関わる研究開発の業務を通じて、我が国の超電導に関わる産業界あるいは学会において高い評価を得るなど、優れた業績、功績を挙げた者 | 功 労 賞 |
次の各号に掲げる事由のいずれかに該当する者
超電導に関わる研究開発の業務を通じて、研究開発活動の支援上顕著な功績があったとき 研究管理、運営、または支援の業務を通じて、研究開発活動に著しく貢献したとき 業務の効率化および合理化方策について著しく貢献したとき |
2004~2010年までの春・秋所長表彰リストはここにあります。
所長表彰('15)受賞者一覧表 | |||
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賞 | 氏 名 | 所 属 | テーマ |
所長賞 | 塚本 晃 波頭 経裕 安達 成司 |
物性・デバイス研究部 | 大型薄膜グラジオメータを用いた磁気探査システムの開発 |
概要;高温超電導で大型薄膜グラジオメータを用いた磁気探査システムを世界で初めて開発した。 具体的には、高温超電導大型薄膜検出コイルを積層型SQUIDにフリップチップ結合した高磁場偏差感度をもつ薄膜グラジオメータを搭載し、重力を利用した姿勢制御や無線制御方式を小型軽量の筐体に組み込んだもので、 山間部等での移動測定が可能な、世界初の軽量・コンパクトな磁気探査システムである。 実際に旧鉱山地区での実証試験では、磁鉄鉱を含む地層による磁気異常を検出することに成功した。 | |||
所長賞 | 中岡 晃一 高木 裕司 木村 一成 |
線材・パワー応用研究部 | 極薄仮焼積層膜による磁場中高特性MOD-REBCO線材の開発 |
概要;特許出願準備中 | |||
技術賞 | 衣斐 顕 吉田 朋 |
線材・パワー応用研究部 | 人工ピン添加長尺PLD-REBCO膜の高速成膜プロセス開発 |
概要;ISTECでは、PLD線材において磁場中特性を向上させる有効なピン止め点としてBaHfO3を見出し、EuBCOとの組み合わせで世界最高レベルの磁場中特性を実現しているが、 これらの成果は比較的低速度で製造したもので、コスト低減のためには高速化が課題であった。今回、成長に液相が関与している可能性を見出し、ターゲット組成、成膜温度等の条件を適正化し、従来の8~10倍の速度で磁場中特性向上を実現した。 | |||
技術賞 | 種子田 賢宏 | 線材・パワー応用研究部 | 希土類系超電導線材中間層の自己配向機構の解明 |
概要;IBAD基板を用いる際に、面内配向の促進に有効なセリアの自己配向現象は2002年にISTECで発見され、世界中で採用されている。しかしながらその配向化機構は、ほとんど解明されていなかった。 本研究では、XRD及び組織観察等により、IBAD層に面内配向と面外配向の相関があることを見出し、この関係が自己配向に重要な関係であることを示した。 | |||
技術賞 | 中西 毅 | 線材・パワー応用研究部 | 金属ナノ粒子ペーストを用いた線材接合技術の開発 |
概要;特許出願準備中 | |||
技術賞 | 木村 一成 中岡 晃一 高木 裕司 |
線材・パワー応用研究部 | 中間熱処理工程導入TFA-MOD法における反応機構に関する実験的・論理的考察 |
概要;安価で超電導線材が作製 できることを特徴としているTFA-MOD法において、本焼プロセスの昇温中に500℃近傍で定温保持工程(中間熱処理)を導入すること でBZO人工ピンを微細化することが可能であることを見出していたが、その適正条件は実験的に求めていた。 この度、この工程における効果を理論的・実験的に解明することにより、必要な熱処理時間を実験することなく求めることが可能となった。 | 技術賞 | 劉 勁 | 線材・パワー応用研究部 | スクライブ線材加工技術の最適化 |
概要;エキシマレーザースクライビング技術は、従来のエッチング法に比べてダメージの少ない方法ではあるものの、プロジェクト目標達成には更なるIc劣化を抑制する必要があった。 また、条件によってはスクライブ端面の剥離の課題もあった。これらの課題に対して、原因が微妙な光軸のずれと切削屑を除去するための吹付ガスの流れを乱す治具形状にあることを見出し、これらを解決することでダメージ及び剥離を抑制したスクライビングを実現した。 | |||
功労賞 | 押久保靖夫 文 裕植 |
物性・デバイス研究部 | 大型グラジオメータを用いた磁気探査システム開発への貢献 |
功労賞 | 青木 大志 栗木 礼二 三浦 貴博 徳丸 美幸 |
線材・パワー応用研究部 | 金属基板・中間層プロセスにおける均一化技術開発への貢献 |
功労賞 | 薄井 友紀江 徳丸 美幸 |
線材・パワー応用研究部 | MOD-REBCO磁場中高特性線材開発への貢献 |
功労賞 | 和田 圭介 | 線材・パワー応用研究部 | スクライブ線材加工技術の最適化への貢献 |
所長表彰('14)受賞者一覧表 | |||
賞 | 氏 名 | 所 属 | テーマ |
技術賞 | 町 敬人 | 線材・パワー応用研究部 | スクライブ線材の磁化緩和挙動に関する研究 |
概要;「高温超電導コイル基盤技術開発プロジェクト」の共通基盤技術の研究開発において,液体窒素で使用を始めとするヘリウムフリーのMRI用マグネットや超電導化による発熱抑制型の軽量・コンパクトな医療用加速器(ガントリーマグネットを含む)を実現するために遮蔽電流による発生磁場の時間変化の制御が問題となる。そのため磁化および磁化緩和(磁束クリープ)特性の把握が必要である。Y系線材でコイルを作製する場合には3次元超電導体である金属系超電導線材とは異なり,高温超電導体の次元性の低さに起因する磁化緩和が懸念され,線材の安定化層と超電導層に長手方向に溝を形成する分割(スクライビング)加工によって磁化緩和を早められると予想されるが,これまで分割加工線材について磁化緩和挙動を評価した例は報告されていなかったので,本研究が初めての報告である。その結果,外部磁場印加後の104秒時点で,無分割のPLDで約7割,TFA-MOD線材で8割程度しか緩和しなかったのと比べて,スクライビング加工後にはほとんどゼロに到達していることが分かった。この時間スケールは,マルチフィラメントのBi2223マグネットと同程度でMRI実用に適用可能なレベルであり,スクライビングによる分割加工が磁化緩和の制御に有効であることが判明した。 | |||
技術賞 | 波頭 経裕 塚本 晃 |
物性・デバイス研究部 | ボーリング孔内での使用を可能とする高温SQUID実装技術の開発 |
概要;これまで世界中で誰も試みてこなかったSQUIDの地中及び海中という高圧環境での利用に着目し、液体窒素での冷却方法を考案すると共に、JOGMEC石油部門の技術ソリューション事業に提案し採択された広域電磁検層システム開発をねらいとしたプロジェクトにおいて、内径10 cm以下というボーリング孔内に挿入可能な圧力容器およびその中での高温SQUID実装技術を開発し、野外試験において実際にボーリング孔内の地下50 mの水中でSQUIDの安定動作を実証した。 この成果は、JOGMECから高く評価されており、SQUIDを用いた電磁検層技術は今後JOGMECの支援と資源開発会社との共同開発によりEOR(石油増進回収)モニタリング技術としての実用化が期待できる。 | |||
功労賞 | 押久保靖夫 文 裕植 |
物性・デバイス研究部 | 日吉研究所への移転作業に於ける貢献 |
功労賞 | 衣斐 顕 中岡 晃一 和田圭介 松岡眞直 |
線材・パワー応用研究部 〃 〃 総務企画部 |
ISTEC-SRL 線材・パワー応用研究部の円滑な移転に関する貢献 |
所長表彰('13)受賞者一覧表 | |||
賞 | 氏 名 | 所 属 | テーマ |
所長賞 | 衣斐 顕 片山 功多 町 敬人 |
線材研究開発部 〃 材料物性デバイス研究部 |
低交流損失REBCO長尺線材の開発 |
概要;安定化銀層および超電導層に溝を形成して細線化を行い,交流損失を低減したREBCO長尺線材を開発した。線材強度は金属基板で保ちつつ損失を低減した100m以上の細線化PLD線材およびMOD線材である。分割数は5mm幅10分割を達成した。この技術が実現できたのは,(1) 線材の幅方向および長手方向の均一性が向上したこと,(2) レーザ照射と2段階化学エッチングを組み合わせたレーザスクライビング技術により溝幅を70μmまで低減できたこと,(3) 化学エッチングを用いないスクライビング法も合わせて開発できたことによる。 | |||
所長賞 | 吉田 朋 衣斐 顕 吉積 正晃 |
線材研究開発部 | PLD-REBCO磁場中高特性長尺線材の開発 |
概要;Y系線材の人工ピン導入線材長尺化において、これまで得るのが難しかった高Ic-B特性・高均一性を有する200m長線材をPLD法により作製した。製造温度の幅が広いレアアースを用いることにより、全長にわたって77K, 3T-Icmin=53.8Aという高いIc-B特性を有する長尺線材を得ることが出来た。 | |||
技術賞 | 安達 成司 | デバイス研究開発部 | 磁場中高Ic特性を持つ鉄系超電導薄膜の開発 |
概要:長尺線材化やピン止め中心導入に好適なPLD法により、鉄系超電導体の中でも異方性が比較的小さくかつ高Tcを示すBaFe2(As,P)2の薄膜化に成功した。得られた薄膜のTc(zero)は24Kであった。4.2K自己磁場中で3.5MA/cm2,10Kで1Tの磁場中においても1MA/cm2以上の高いJcが確認された。今後、ピン止め中心導入によりさらなる高Jc化や長尺プロセスへの展開が期待される。 | 技術賞 | 中村 達徳 片山 功多 中岡 晃一 吉積 正晃 |
デバイス研究開発部 | MOD-REBCO磁場中高特性長尺線材の開発 |
概要:実際の電力ケーブルシステムを考慮して、スパイラル・コルゲート断熱管内にケーブルコアが偏心した3次元的な複雑形状が長尺ケーブルの冷却特性に与える影響について、Y系プロジェクトで開発が進められた275 kV高電圧ケーブル設計を参考に数値解析による評価を行った。 | 技術賞 | 丸山 修 | 電力機器開発部 | 高温超電導ケーブルにおける電熱・流体特性の数値計算 |
概要:実際の電力ケーブルシステムを考慮して、スパイラル・コルゲート断熱管内にケーブルコアが偏心した3次元的な複雑形状が長尺ケーブルの冷却特性に与える影響について、Y系プロジェクトで開発が進められた275 kV高電圧ケーブル設計を参考に数値解析による評価を行った。 | |||
功労賞 | 下出 貴史 村井 佑多 |
デバイス研究開発部 | 磁場中高Ic特性を持つ鉄系超電導薄膜の開発への貢献 |
功労賞 | 薄井 友紀江 | 線材研究開発部 | MOD-REBCO磁場中高特性長尺線材の開発への貢献 |
功労賞 | 村山 優 伊東 歩 関 翼 平田 直之 |
材料物性バルク研究部 | 2MVAモデル変圧器用マルチフィラメント線材提供への貢献 |
功労賞 | 高橋 貴彦 栗木 礼二 和田 圭介 |
線材研究開発部 | PLD-REBCO磁場中高特性長尺線材の開発の貢献 |
功労賞 | 栗木 礼二 徳丸 美幸 |
線材研究開発部 | 低交流損失REBCO長尺線材の開発の貢献 |
所長表彰('12)受賞者一覧表 | |||
賞 | 氏 名 | 所 属 | テーマ |
所長賞 | 鈴木 秀雄 | 低温デバイス開発室 | 光入力超電導リアルタイムオシロスコープの開発 |
高速光信号波形をソフトウエア処理なしで観測可能な超電導リアルタイムオシロの開発において、リアルタイムオシロの主要部品であるアナログ/デジタルコンバータ(ADC)のサンプリング周波数50GS/sを達成するとともに、回路を工夫することにより入出力線数の限られた冷凍機へのADCチップ実装を可能とした。また、高速光信号波形観測に成功した。 | |||
技術賞 | 片山 功多 高木 裕司 |
線材研究開発部 | MOD法を用いた高特性・低損失長尺線材の開発 |
Y系線材の交流損失の低減に有効な細線加工線材において、これまで得ることが困難であったMOD法による長尺細線において高い特性と損失低減を両立させた成果である。具体的には、中間熱処理を導入、適正化することにより50m長線材を5分割加工し、フィラメント毎のIc特性においてIc(min)=24.3A、Ic(max)= 30.0Aと、Ic特性を向上させると共にバラツキを大きく改善する事が出来た。 | |||
技術賞 | 河野 丈治 | デバイス研究開発部 | 磁化した実用材料に適用可能なSQUID非破壊検査装置の開発 |
常電導の磁場検出コイルと高温超電導SQUID本体を分離し、SQUID本体を超電導磁気シールド中に配置した非破壊検査装置試験機を開発した。従来の検出コイル-SQUID一体型の装置ではできなかった磁性材料や10mT程度磁化した材料中の欠陥検出が可能なことを実証し、プラント等で使用されている実用材料の非破壊検査への適用可能性を示した。 | |||
功労賞 | 中畑 献治 高橋 新也 |
線材研究開発部 | MOD法を用いた高特性・低損失長尺線材の開発への貢献 |
功労賞 | 重森 正隆 徳丸 美幸 青木 大志 |
線材研究開発部 | Y系線材の剥離メカニズム解明と剥離強度向上技術の開発への貢献 |
功労賞 | 吉積 正晃 種子田 賢宏 高木 裕司 片山 功多 埜藤 健二 薄井 友紀江 高橋 新也 遠藤 佐保 栗木 礼二 青木 大志 高橋 貴彦 篠﨑 孝臣 村山 優 関 翼 平田 直之 丸山 修 |
線材研究開発部 材料物性バルク研究部 電力機器研究開発部 |
震災・節電による機器用線材の提供遅延抑止に向けたサポート |
功労賞 | 村山 優 伊東 歩 関 翼 平田 直之 |
材料物性バルク研究部 | 2MVAモデル変圧器用マルチフィラメント線材提供への貢献 |
功労賞 | 宮﨑 智 蓮尾 信也 岡 実奈子 清水 美樹 宮田 成紀 山田 雄一 日高 睦夫 筑本 知子 大熊 武 |
広報委員会 | エコプロダクツ2011におけるISTEC出展への貢献 |
所長表彰('11秋)受賞者一覧表 | |||
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賞 | 氏 名 | 所 属 | テーマ |
所長賞 | 波頭 経裕 塚本 晃 安達 成司 |
デバイス研究開発部 | 次世代SQUITEM用高性能SQUID磁力計の開発 |
低磁場雑音かつ磁場 耐性の高い 高温SQUID素子の設計・製作、フィードバック回路のパラメータ最適化、小型液体窒素デユワへの低雑音実装技術等の開発により、SQUITEM2号機及び海外の最新装置に比べても4~5倍以上のスルーレートをもつ磁力計実用機の開発に成功した。 | |||
所長賞 | 永沢 秀一 | 低温デバイス開発室 | SFQ回路製造プロセス検査法の確立と7万JJシフトレジスタ回路完全動作による高信頼性の実証 |
プロセス評価チップとシフトレ ジスタチップの2種類の検査用チップを用いた超電導SFQ回路製造プロセス検査方法を確立し た。その結果、1チップ上7万JJのシフトレジスタ回路完全動作を実 証し、ISTECのNbデバイス製造プロセスは国内外から世界トップとの評価を受けている。 | |||
技術賞 | 高木 裕司 中岡 晃一 高橋 保夫 |
線材研究開発部 | MOD法による高Ic長尺線材作製プロセスの開発 |
水蒸気 分圧の増加・全圧の低下・ガス流量の増加による123結晶成長速度の向上(10倍程度)、中間焼成の適用によるBaF2の微細結晶化とその粗大化抑制による | |||
功労賞 | 押久保 靖夫 文 裕植 |
デバイス研究開発部 | 次世代SQUITEM用高性能SQUID素子開発への貢献 |
功労賞 | 赤木 長久 高橋 新也 薄井 友紀江 徳丸 美幸 |
デバイス研究開発部 | MOD法による高Ic長尺線材作製プロセスの開発への貢献 |
功労賞 | 松岡 眞直 小山 邦男 |
総務部 企画部 |
夏季節電下における電力運用改善による研究開発への貢献 |
所長表彰('11春)受賞者一覧表 | |||
賞 | 氏 名 | 所 属 | テーマ |
所長賞 | 飛田 浩史 | 線材研究開発部 | PLD-GdBCO線材の新規人工ピン導入による磁場中Ic特性向上 |
技術賞 | 高橋 保夫 中岡 晃一 |
線材研究開発部 | TFA-MOD法を用いた磁場中高Ic線材の開発 |
技術賞 | 吉積 正晃 | 線材研究開発部 | 大型IBAD-MgO装置を用いたIBAD層の高速成膜技術の開発 |
功労賞 | 埜藤 健二 和田 圭介 |
線材研究開発部 | PLD-GdBCO線材の新規人工ピン導入による磁場中Ic特性向上への貢献 |
功労賞 | 和田 圭介 中畑 献治 梅村 瞬 |
線材研究開発部 | TFA-MOD法を用いた磁場中高Ic線材の開発への貢献 |
功労賞 | 堀辺 修身 | 線材研究開発部 | 大型IBAD-MgO装置を用いたIBAD層の高速成膜技術の開発への貢献 |