理事長挨拶
公益財団法人 国際超電導産業技術研究センター
理事長 森 詳介
公益財団法人 国際超電導産業技術研究センターは、2012年4月から公益財団法人として再スタートいたしましたが、1988年1月の設立以来、関係の皆様方の積極的なご支援・ご協力により、超電導に関する調査、基礎研究及び実用化に向けた研究開発、国際交流、国際標準化の推進等を図ってまいりました。
超電導に関する調査ならびに国際交流、国際標準化につきましては、研究成果や動向調査の情報提供、シンポジウムや国際超電導サミットの開催、国際標準化に向けたイニシアチブの発揮などに対し、国内外の研究者や関係者から高い評価を受けてまいりました。
また、研究開発につきましては、高温超電導材料の基礎物性評価や新材料の探索から始まり、応用を見据えた基盤技術の開発に重点を移してまいりました。バルク分野では、材料は既に製品化され、それを用いた機器も製品化目前の段階にあります。また、イットリウム系超電導線材や超電導デバイスの開発では、実用化に向けた研究成果を着実に挙げ、世界における超電導技術開発に多くの貢献をしてきたものと自負しております。
今日、高温超電導技術の応用に関する研究開発は、日米欧亜が激しく競っているところです。その成果はエネルギー、エレクトロニクス、輸送、医療、環境改善など幅広い分野において、従来の技術では果たし得ない機器の実現や、従来の機器の大幅な性能向上を可能とする技術であり、21世紀の社会を支える技術として大いに期待されております。
当財団は、こうしたご期待に一層お応えすべく、2013年夏より本拠を神奈川県に移し、組織の整理統合を図り、事業のさらなる効率化を進めてまいります。そして、企業や大学・研究機関と連携し、積極的な技術開発に取り組み、超電導関連産業の発展と学術・文化の向上に寄与し、もって世界経済の発展に資するとともに、明るく豊かな社会の実現に貢献出来るよう努めてまいります。
今後とも、関係各位のより一層のご支援、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。